第12章 銀の流れる川 前編 お相手:竈門炭治郎
この集落を流れる川
それは更に山の上に繋がっている
その 川が
月の光を受けて 白銀に光っている
かなり細かい銀が含まれているのか
鉱山はない
なのに この村の川には銀が流れていて
そして どの家も
それなりに裕福な佇まいだ
「全部、アイツの所為だ……アイツが…」
その男が拳を握り震わせる
「8年前、それより前はこうではなかった?」
「8年?そんな物じゃない、
…もう20年程になるそれまでは、普通の
村だった、他の村との交流もあった」
何かから逃れるように
何かを隠すように
全てとの隔絶を… 取る様になったのは
8年前から…ではなく
もっと前からだったのか
20年も前から?
「それは、
そのめんなし…が、原因なんですか?」
「頼むっ!今度は…村の娘の番なんだ!
面なしの嫁になれるのは、15~18の
娘だけなんだ、もうこの村で面なしの
嫁になれるのは俺の娘しかいない!」
半年に一度
どっちかは他の村の娘でも良くて
一年に一度は
この村の娘じゃないといけない訳か
そして それは明日…
「…………この村には、
誰も女の人はいないの?」
「いない訳じゃない、18を迎えて居なくても、
子供を産んだ女は、面なしの嫁には
なれないからな。それを知って、わざと……」
どうしても
自分の子供を
面なしの嫁にさせたくないと思うなら
なるほど 誰かに頼んでとか
親が犯してでも
自分の子供を妊娠させてたって事?
どっちにしても 気持ち悪い話だけど
「さっき、俺達が座敷牢に入れられていた家の
娘さんも……その面なしに……?」
「そうだ…1年前にな」
「18歳までの、
子供を産んだことの無い女……ね」
とみくりが漏らすように言って
炭治郎がハッとする
そうだ みくりさんっ
みくりさんは 確か 18だったはず……
それに 当然っ 出産の経験もないだろうし…
「炭治郎君、私……この人の娘さんの
代わりになって、その面なしの調査……
行こうかと思うけど…どうかな?」
ああ やっぱり こう来るんじゃないかって
俺もそう 思ってましたけど やっぱりだったぁー