第48章 3度目のホワイトデーは 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
自分のトレーの上に出していた
練乳をいちごに絡ませてつけると
それをこっちに向けて来て
恐る恐る 口を開くと
練乳の付いたいちごを口の中に
杏寿郎が入れて来て
そのまま指先が名残を惜しんで
みくりの下唇をなぞって行く
「練乳を付け過ぎてしまった様だな。
多すぎたか…、付いてる」
そんなの わざとたっぷりと
練乳いちごに付けたのは
間違いなく 杏寿郎だし
多すぎた練乳を 唇に塗り広げたのも
間違いなく 杏寿郎で
ペロッと舌を下唇に這わせて来て
塗り広げられた練乳を舐め取ると
「甘いな…、みくりは」
「甘いのはっ、私じゃない…し?
練乳が、甘いだけ…だよ?」
「そうか?なら…俺も、甘くするか?
練乳つけたら、いちご甘くなるだろう?
だったら、俺に付けたら甘くならないか?」
そんな事を言って来て
今度は私に杏寿郎を甘くしてと
そう促して来るから
少々の嫌な予感を感じつつも
みくりが自分の人差し指に
練乳を付けると
杏寿郎の唇にそれを塗ろうとして
伸ばした指先を
杏寿郎に捕まえられてしまって
そのまま練乳が付いた指先を
チュ…と音を立てて吸われながら
しゃぶり取られてしまって
「もうっ!杏寿郎っ、何やってんのよ!
練乳、舐めちゃったら…、塗れないって」
「練乳なら、もう、
…俺に付いてるだろう?
みくり、俺が甘くなってるか…
確かめてみてくれないか?」
そう言いながらも
手に持ってたいちごのヘタと
練乳を入れるトレーを
手から奪われてしまって
いちごの苗の間の継ぎ目の部分に
それを置くと
私から そうしやすい様にして
少しばかり身体を屈めて来て
スルッと腕を腰に回されてしまって
下半身が密着する体勢になっていて
「…あの、ねぇ?杏寿郎…そのっ。
私の気のせいじゃなかったら、
凄い、本格的にキスする感じに
なってるのって、気のせいかな?」
「気のせいじゃないか?
君の考え過ぎだろう?
味見するのは、俺じゃなくて…
君の方側だからな。みくり」
あくまでも 味見するのは
こっち と言う名目らしいので
自分から彼に唇を重ねて押し付けると
そのまま杏寿郎の舌に
自分の舌を重ねる
いちごの香りと練乳の甘味と
混じり合って溶けるような
そんな口付けを交わす
こっちからと言う名目なんて…