第48章 3度目のホワイトデーは 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
みくりがイメージ検索した
一角の画像を見せて来て
「いや、アザラシだろう?
これは。角の生えた
アザラシじゃないのか?角は
俺の想像の3倍は長い…が」
「骨格標本なら置いてる、
水族館あるよね。見た事あるよ。
骨格標本見たら分かるけど、
一角の角って角じゃないんだよ」
ふれあい広場を後にして
園内を移動しながら会話を交わす
「ジンベイザメは居ないが…、
行きたいか?水族館。その
一角とやらの骨格標本があるか
俺には知り様もないが…」
「水族館?あ、もしかして
今日の目的地、水族館の
近くだったりするの?
あっ…もしかして、徒歩1分とか
そんな位に隣接してたりする?」
杏寿郎にお伺いを立てる様にして
みくりが確認を取ると
ふっと杏寿郎が笑みを浮かべたので
その顔を見て 自分が
思って居る場所と一致した
スッとみくりが隣を歩いていた
杏寿郎の左手に自分の右手を伸ばして
ギュッと握った
「いいのか?俺の手なんか
握って、またこの前の時みたいに
されてしまうかも知れないぞ?」
「いや、その…そこ…はさ、
ほら、何て言うのかな。
この県に住んでる人間の、
憧れと言うか…、ね?そんな
ポジションの老舗ホテルじゃん。
それこそ、何か特別な記念日とか…」
「ん?特別な記念日じゃないと
利用したらダメなのか?前に
バレンタインの時に、ちょっと
そんな話をしただろう?
そこも、それ用に部屋を幾つか
リニューアルしてたからな」
杏寿郎がみくりの耳元に
自分の耳を近付けて来て
ふぅと耳に吐息が掛かる
「ちょ、杏寿郎…?」
ふざけすぎだよと言って
その身体をグイっと押しのけようとした
みくりの手首を逆に掴まれてしまって
「いいだろう?特別感があって…」
「んッ、それは…。
私も、否定しないけど」
「そうか。俺の姫君に
お喜び頂けて、光栄だな」
杏寿郎の話から
今夜の宿泊先が分かったんだが
全室オーシャンビューのホテルで
県内でも幾つか温泉地はあるのだが
どこどこと言えば○○と言う
その温泉地を代表する看板的なホテルだ
当然 週末だしお値段も…
「君が言ったんだぞ?こんな時期だから
旅行やらにも行けないってな。
だったら、県内で贅沢するのなら
許されるんじゃないのかと思ってな」
「うん、ありがと」