第48章 3度目のホワイトデーは 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「ああ、すまない、笑ってしまった。
ああ、そうだ、この詫びと
言うほどでもないが。あそこの
安全なエリアで、カピバラにおやつでも
やって来たらどうだ?」
そう言いながら カピバラだけ
隔離されているエリアの前に居た
スタッフの女性からおやつを購入すると
その細長い葉っぱが入った袋を
みくりの方へ差し出して来て
それと交換でみくりの
持っていたエサのバケツを受け取った
「って、どうして、
杏寿郎カメラ構えてるの?」
「いや、君とカピバラとの
コラボレーションでもカメラに
納めて置こうと思ってな!」
さっきまでヤギに絡まれて
気分を害していた様子だったみくりだが
エサの葉っぱを持って
ぼんやりとしている
カピバラの口元へ持って行くと
モスモスとエサを食べ始めて
「わああっ、見てっ見て!
食べてるよ、エサっ、可愛いっ。
凄いよ、間抜け面してる」
「いや、それ、褒めてないだろ?
それに、見てる、見てるからな」
ほわっとみくりが笑顔になって
「可愛いねぇ、カピバラ。
なんかこう、罪が無くて、いいわ」
「いや、それは
俺達が勝手に思ってるだけだろう?
その顔の裏で、もの凄い葛藤が
彼等の中にもあるかも知れないだろう?」
「カピバラとハシビロコウには
しがらみが無いと信じたい、
あ、知ってる?ハシビロコウって
ハイギョって魚食べるんだよ。
肺魚って書くから、肺で息をするんだけどね。
住んでる池の水が干上がっても死なないの」
『ハシビロコウなら、
鳥のエリアにいますよ』
そうスタッフのお姉さんが
にっこりと笑いながら言って来て
「いや、大丈夫です、今は
ハシビロコウではなく、肺魚の方なので」
「それでね、乾季の間は蛹みたいに
繭?みたいな中で夏眠して。
また、雨季になって雨が降ったら
その中から出て来るんだって。
そのレプリカを、昔水族館で見たよ」
杏寿郎が見てる
カピバラを指さして
「杏寿郎知ってる?海遊館の
カピバラってさ、ピラニアと同居してるの」
カピバラのイメージは温泉とか
入ってる位だから水に入るのでは…
「それは、一緒に飼ってもいいものなのか?」
「多分大丈夫、
ピラニアが臆病な魚だから。
見てる方はハラハラするけど」
そう言いながらみくりが
カピバラにエサやりをする