第48章 3度目のホワイトデーは 前編 お相手:煉獄杏寿郎 現パロ
「いや、何でもない。
おかしな事を言ってしまったな」
「いえ、お気になさらず。炎柱…」
そう言ってから
あれ?ってなって
お互いの顔を見合わせたままで
見つめ合ってしまった
「ごめん、なんか変な事…
言っちゃってた、ね、忘れて?杏寿郎」
「ああ。そうだな。
今日は天気もいいし、馬車もいい物だな」
上がフルオープンの馬車なので
風で乱れた髪をみくりが押さえて居て
「髪が、乱れるのが気になるか?」
「え、だって。頭ボサボサに
なっちゃうじゃん、杏寿郎?」
「そうして、髪を抑える姿も
君は様になるな…。まるで…
絵画から抜け出した…っと」
いつもの杏寿郎らしからぬ物言いに
思わずドキドキとしてしまった
「みくり、顔が赤い…が」
「杏寿郎が…おかしなこと言うから
こっちの、調子が狂うんだよっ。
何か今日の杏寿郎変だし」
「すまん、俺もそれは自覚してる…」
お互いの調子がかみ合わないと
そう感じながらも馬車は次の
停留所に着いたので
とりあえず 馬車から降りた
ついたのは 小高い緩やかな丘になった
大きな芝生広場で 子供がフリスビーや
バドミントンやシャボン玉等
それぞれに思い思いの遊びをしていて
それらの道具のアイスクリームやらを
売っている出店で売られている様だった
折り畳みのテントもいつくか
隅の方の木陰に立って居て
ここで陣取ってる家族連れは
開園から閉園までここで遊ぶんだろうなぁと
何となくに感じ取ってしまった
人が流れているのが見えて
園内放送でバードショーがあると言う
アナウンスがあって
グループごとに適度に間隔を取った
座席の用意された 屋外ステージで
もう5分程したらバードショーがあるらしく
「すぐそこだし、
時間もあるが。観て行くか?」
「うん、時間つぶしにはいいかも」
ぞろぞろと屋外ステージへの流れに
合流して 歩くと
空いていた 座席に腰を降ろした
バードショーと言うのに
目の前のステージには
大きなオウムが1羽居るだけで
3人の皮の手袋をしたスタッフが
ニコニコと笑顔で小さなゲストに
手を振って居て
あのオウム1羽だけで
どうやってショーをするのかと
一抹の不安を感じて居ると
程なくしてショーが始まって
『まずは最初の鳥さんの登場です!』
鳥 一羽しかいませんが?