第12章 銀の流れる川 前編 お相手:竈門炭治郎
「でも逆に好都合かもしれませんね!
その集落の娘さんが
ひとりしかいないのであれば、
その家を守れば、大丈夫ですもんね!」
と炭治郎が目をキラキラさせて
意気込んで言ったので
「そうだね。上手く行くといいけど
……どっちかと言うと私たちの協力を、
村の人が受け入れてくれるかの問題かもね」
そうか よそ者を極端に嫌う村なんだ
当然 政府非公認組織である
突然 湧いてきた 鬼殺隊を語る
良く分からないやつに
自分の大事な娘を 任せられないか
「一筋縄には、行きそうにないって事…ですか?」
「でも、逆に…突然現れた私を、利用しようって
気になってくれたら、好都合かもだけどもね」
「それって、もしかして。
みくりさんを、その娘さんの
身代わりにするって事ですか?」
「どうかな?炭治郎君はいい作戦だと思う?」
次々と村から
若い娘が消えて行って
自分の娘だけになってしまって
俺がその娘さんの親なら
どこの誰かも知らない 女が来たら
身代わりにしようと思う物だろう
でも 俺が……その娘の親だったら
「でも、俺が、その娘さんの親だったら、
俺は、村を出ます」
「それが、出来ない理由が
……あるんでしょうけどもね」
そうしない理由までは
みくりさんにも分からない訳か
「呪いの村……って、呼ばれてるらしいけどね」
「呪いの村…ですか?」
「よそ者を嫌うって事はだよ?
よそ者から結婚相手を選ばないでしょ?
そうなれば、村の中の者はみんな、
血縁関係になるでしょ?血が濃い……の」
血が濃い者同士の結婚は
奇形児が生まれやすくなると聞いた事がある
それに 頭脳に障害が出やすいとも
「この集落も、女の人が消えるのよ。
こっちは人為的だろうけど」
みくりの言葉に
炭治郎は背筋が凍る思いがした
それは この村の人も分かってるんだ
その村の血が濃いから
それを薄めるのに している事だって
「炭治郎君、気持ちはわかるけど。
私たちは鬼狩りなんだよ?
村の問題には、立ち入れない」
「でも、それが事実なら、みくりさんが…
その村へ行くのは危険じゃないですか?」