第46章 ひめごと 1周年ありがとう記念 ※裏なし お相手:色々
一周年のありがとうを貴方に
宇髄 天元の場合
ツンツンと頬を何かに突かれる
感覚を感じて みくりは目を醒ました
瞼を開くと
真ん前に 天元の赤い目が見えて
頬杖を付きながら
こっちを見ている彼と目が合ってしまった
「俺、すっごい暇してたんだけど?
どう、責任とってくれる感じ?
こんな素敵で、カッコイイ彼氏
放って置いてさ、惰眠貪るとかどうよ?」
「それよりもっ、
先に言う事があるんじゃない?」
起き抜けから目の前の彼氏様は
私に不満をたらたらと述べて来られる
「ま、ずっと見てても良かったけども。
見てると、いっつも怒るじゃん?お前」
「って、誤魔化さないでよ?
趣味わるっ、また見てたの?人の寝顔。
天元、好きすぎない?人の寝顔見て
何が楽しんだか…」
彼は夜中に目が醒めては
何が楽しいのか人の寝顔を見ていて
見てるだけならいいけど
こうやって人を起こして来る
ちらっと時間を確認すると
まだ夜が明ける前だった
「まだ、起きるの早すぎない?」
「あっれ?やっぱ怒ってる?」
「怒るよ!こっちは寝てたんだから」
「また、寝ちゃう感じ?」
布団を被り直して
そう訊ねて来る天元に背中を向ける
「ねぇ、みくり」
もそっと後ろから逞しい
腕を天元が私の身体に回して来て
耳元に天元の吐息が掛かる
「知らない、眠いし…寝るから」
「冷てぇーの。なぁ、みくり」
「聞こえない、聞こえてない」
「みくり。俺さ…、
お前の事、好きだわ…、そんだけ」
突然の脈絡のない告白に
ぴくッとみくりが反応を示した
「それは…、聞こえ…た、かな」
小さな声でみくりが返して
「なぁ、こっち…向けねぇの?」
そうやって 上手い事言って
下手に出て来て
「向かない、だって向いたら…」
「俺に、キス…されっから?」
「だって、する…でしょ?キス…」
ちゅうとみくりの頬に
不意打ちのキスを落として来て
しまった やられたって思った時には
もう既に 時が遅くて
そのまま 後ろから上半身を乗り出して
みくりの顔を覗き込んで来て
二ッと悪戯っぽい笑みを浮かべて来る
「そっちが向いてくれないんだったら、
俺がそっち行けばいいじゃん?そじゃね?」