第44章 3度目のバレンタインデーは…後編 お相手:煉獄杏寿郎現パロ
ベットの上には
赤とピンクのバラでハートが作られていて
そのハートの中は赤のバラのフラワーペタルで
埋め尽くされていて
「可愛い…ッ、お花、生花?」
杏寿郎がハートの形を作っている
輪郭のバラを1輪手に取って
そのバラに鼻を近付けると
そのままそれをみくりの方へ
差し出して来て
みくりがその赤いバラに
促されるままに鼻を近付けると
「そうだよね、でないと傷んじゃうし。
ソープフラワーだったんだ、でも、
なんからしい感じがしていいかも…」
「ありがちな演出ではあるが…、
有料サービスのイメージだな」
そう言いながら階段を下って行って
リビングのテーブルの上に置かれていた
ハート型の紙とその傍らに置かれていた
畳んだハンカチ位のサイズ感の
金色の袋に入った何かを手に取った
「みくり、メッセージカードがあるぞ。
普通のホテルにはある所もあるが。
ラブホテルで手書きのカードがあるのは
珍しいな。そのベットのバラは
バレンタインの一環みたいだぞ」
そう言って読んでみろと
みくりにメッセージカードを差し出して来て
杏寿郎の手からそれを受け取りながら
杏寿郎の手の中にあるそれが気になった
「その金の袋は?」
「これは、心ばかりの
バレンタインのプレゼントらしい」
メッセージカードに目を通しながら
みくりが杏寿郎に声を掛けた
「ねぇ、何が入ってるの?」
メッセージカードには11日から14日の
期間はバレンタインのイベントを
やっていて 幾つかのプレゼントや
サービスを用意していると言う旨の事が書かれていて
その印刷文字の下に手書きで
”素敵なバレンタインをお過ごしください”
と書き加えられていて
「後、ノートもあるが?記念に書いて行くか?」
この部屋を利用した人が
感想を書く為のノートがあって
ご丁寧にカラーペンと
色鉛筆まで添えてある
パラパラとノートを捲っている杏寿郎に
「あれ?さっきの中身は?」
「見たいか?」
「見たいよ、気になるじゃん」
「使うか?折角のサービスだしな」
そう言って封が開かれた袋を
こちらに差し出して来たので
その中身を受け取って確認すると
「これ…、使い切りタイプの
ローション?チョコの味のするやつ。
それから、まだ何か入ってる…」