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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第16章 釘


ー穂波sideー









『…こら』










侑くんの頭ぽんぽんしてたら、
しばらくしてからぶらんってしてた侑くんの手がウェットスーツのチャックにかかった。

じーっとジップを下げていく。











「ええやん、どうせ脱ぐんやろ?」

『まぁそうだけど。 さっきはあんなにもじもじしてたのに』











これから海に入るって人が
Tシャツ脱いで、水着姿になるなんて想定外のことじゃないと思う。

なのにそれにあんなにあばあばしてたのに。











『…侑くんってば、大胆』










肩に乗っていた侑くんの顔を、目の前に誘導して。
両頬に手を添えてそんなことを言ってみれば。











「…あんま余裕こいとると、痛い目みんで?」










色っぽい垂れ目がちなその瞳でわたしを見下ろして、
余裕たっぷりに、迫力さえも備えた調子でそんなこと、言う。











『… 気をつける』










その様子があまりに色っぽくて、ふざけた返事なんてできなかった。
侑くんの最大の魅力の一つは確実に、このドスの効いた迫力だ。
乱暴そうで、無邪気で、なおもどこまでも献身的な雰囲気。

アブナイ、空気を持った男の子だなって思う。
中毒性がある。どんどん、どんどん好きになっていく。











「気をつけるんか。 穂波ちゃん、おりこうさんやなぁ」











顎にくいっと指を添えて、侑くんはそんなことも、言った。

胸がぎゅっとする。色気と恐怖に。
そして下腹部もきゅうっとするのがわかった。











『………』

「…なぁ、普通にぎゅってして」

『え?』











顔すっごく近いまま話してたし、
会話の内容も内容だったし、
このままキスされちゃうかもとは正直思ってた。









そしたら通常運転というか、
無邪気でかわいい方の侑くんの調子で、ぎゅってしてって。












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