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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第16章 釘


ー侑sideー








約束もせんと会いに来て、
すぐに会えたけど、
会えたら会えたでもっと会いたいし一緒におりたい。

けど、約束しとらんし穂波ちゃんやることよーけあるみたいやし。

図々しいことは言ってられへんな、って思って。

思いながらも、でも少しでも一緒におりたいいう気持ちを伝えとかなあかんって思ったら
また切羽詰まったような、ダサい声が出てまっとった。

でもこんなんもう何度も穂波ちゃんに見せとって。
ほんでそれを普通に受け止めてくれる穂波ちゃんがおって。
やからもうええねん。俺の全部さらけ出しとこ、って思う。
それってなんか、すごいことやなとか、思う。











『…侑くん?』

「すきやねん、好きで好きで仕方ないねん。少しでも一緒におりたいねん」

『…ん』

「…晩メシだけ、あかん?」











手、繋いで。
車のとこきて。

もうあかん、もしかしたらもう会われへんって思ったら
懇願するみたいな声が出た。











『わたしも一緒に食べたいよ? 侑くんは明日どこかに行く予定があるの?』

「ない。 穂波ちゃんが目的地やもん」

『そっか。行きたいお店とか行きたい場所とかもないの?』

「ない。なるたけ一緒におりたい」

『うん、わかった。かわいい。
…せっかくここまで来てくれたんだから、外食だってしたいけど』

「………」

『今日の夜はうちで食べるんでもいい?』

「…え?」

『うち、来ない?』

「…ええの? んなもん行くに決まっとるやんけ! 行く!」

『…侑くん……』











困ったように眉毛を下げて、
優しく微笑みながら穂波ちゃんが俺の名前を呼ぶ。











『…ほんとにかわいい。 よしよし。 色々考えちゃったんだね。
内容は全然想像できないケド…… ぐるぐるしてたのはよくわかった』











それから俺の首に手を回すようにしてだきしめてきて。
わかる?余裕で20cm以上背の高い俺を屈ませるように、
肩に俺の頭乗せるように抱きしめてきて。

俺の後頭部ぽんぽんって優しくしながら、そんなこと、言った。













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