第16章 釘
──「…月曜か、天気よかったら〇〇ビーチの近くの△△って店にいたら会えそうだけど」
「え、は、なに?どういうこと?」
「会いにいくんでしょ、でも連絡しないんでしょ?約束しないために」
「………」
「あ、ごめん、ほんとに偶然に会いたかったかな。運命、みたいに」
「………」
「だったらさっき言ったのは行くとこから外しておいて」
「…いや、いくけども。 ええの?そんなこと教えてくれて」
「なんで? 穂波喜ぶよ、絶対、侑くんに会えたら」
「………」
「あ、でもさ、穂波今結構スケジュール詰め込んでるから。
だからどうってわけでもないけど、うん… 伝えとく。…気をつけて」
研磨くんが言った店でたっかいジュース頼んで時間潰しとったら、
ほんまに穂波ちゃんが来てん。
ほんでさっきの再会があって。
今ぎゅうううーって抱き付かれてるんやけど。
……なっが。 …つっよ。
…これは喜んでくれてるってことでええよな?
「…ん、もぉわかったから一旦離して」
『…いや』
「…!」
『侑くんぎゅーってしてくれてないもん。 いや』
なんっやねん、そのかわいいやつ!
こういうのが好きなわけと違う、かわいい系よりかっこいい系、
ええ女系が好きや、やけども、、、!
好きな子… いっつもこんな感じと違う好きな子にされたら、あかんねん……
「…なんやし、それ」
『…ぎゅって、して』
「…ん、」
腰に腕回してぎゅーって返すと、
やらかいのがもっとぎゅーって俺にくっつく。
胸も、お尻も。
…なぁ研磨くん、何したらアウトやったっけ。
こんなんルールすぐ吹っ飛んでまうやんけ。