第15章 バンバンジー

ー黒尾sideー










「…んーまぁ、関係ない、知らないって感じでいこうかな」










…うん、さらっと陰湿。
だって宮侑と面識普通にあるし、
宮治の方となんて、なんかアブナイ仲じゃん。










「でしゃばってどうこういうとこでもないでしょ。
穂波はおれの彼女だけど、今回はそういうことじゃないじゃん」

「…否定もしねーの？」

「それは侑くんがすることデショ」

「………」

「あのアカウント内で起きてることに関しては
おれの立場は一貫して、穂波のダンスがすきで本人もそれを望んでいたから、
一番良いと思う形で映像を撮れるようにバックアップとプロデュースをしたってとこ。
そこにいる穂波のプライベートに口を出す立場ではない。
おれの会社に所属してるわけじゃないんだし」

「………」

「…今はね」









ふーん… すげー割りきり。








「おれの彼女すげーだろ！とかはねーんだ？」

「…ないね。　ただただ、うわ、やっぱすき。　って思うだけ」

「こいつおれのなんだぜ？　とか言いたくなんねーんだ？」

「…ないね。　おれの、とはしたいけど、おれのだって他人に向けたマウントには興味ない」

「あんだけキスマークつけてたくせに？」

「あれは、おれの、っておれがしたいだけ。　
おれのだって見せつけたいわけじゃなかった」

「じゃあ逆におれは穂波ちゃんの、ってのは？
この間山本が言ってただろ」

「それはもう、おれには彼女がいて満たされてる、
だから余計な好意は迷惑ってことが伝わればいい」

「…お前なぁ、もうちょっとファンを大事にしないと知らねーよ？」

「ありがとうは思ってる。普通に。
でも一部のおれのことをそういう対象として見るっていうか
ワンチャンあるかもって思ってる勘違いした人達は願い下げ」

「…ふーん、まぁそれもそーか。
…で、穂波ちゃんのことは置いておいても、会社のことについてはどうすんのよ？」








今のところまだ研磨は会社のことについて自分からは触れてない。