第15章 バンバンジー
ー侑sideー
朝、北さんからの着信で目が覚めた。
咄嗟に通話ボタンを押して寝起きの声で電話に出た。
──「お前、自分が何したかわかっとんのか」
「…え、あ、え? すんません、なんのことですか」
「…わかってないんか。 …まぁええわ、そんなん俺から説明せんでもじきにわかる。
ほんでも迷惑はかけんなや、これ以上。
あんな綺麗なもん、台無しにするんやないで」
寝起きの頭にも北さんからの忠告は鋭く入ってくる。
少しして身体が目覚めてきて、ようやっと結びついた。
…俺の昨日のコメントがどうかなってるんやなって。
でもそんなこと言われても、もう俺、
「…勢いのままに航空チケットとったとか言わんよな?」
「!!!!!!!」
「とったんか。 ほんで穂波ちゃんから返事はきたんか?」
「…まだ、連絡もしてません」
「アホか」
「アホです。でも会いたいからしゃあないんです。
惚れてまったらもう、何も関係ないやないっすか。
別に穂波ちゃん家に泊めてもらうわけやないし、
滞在期間のうちに1日でも、1時間だけでもええから会えたら良いなって感じなんです」
「…ほーか。家に押しかけに行くんやなかったら少しは安心したわ。
ほんでも侑、お前自分の立場もわきまえーや」
「はい!すんませんしった!」
「…ほんならもう切るな、朝から悪かったな」
電話が終わって、朝の色々済ませながらインスタを開く。
まずはあの動画をただただ、観る。
ほんでコメントへのリアクションがきたとかいう通知を消すために一回確認して。
そんでもコメントに対するリプライは来てなかった。いいねはあったけどな。
…こことちゃうならTwitterか。
エゴサやなくて目的ありきで、俺の名前打ち込んで、検索。