第15章 バンバンジー
【インスタみたぞ。すごいな、まじですごい。感動した。
返事はいいから、また電話できる時にでも話そう】
これは白布くんからのLINE。
昨日からちょこちょこと友人からLINEが入る。
通知はいつもオフにしているものの、
たまに用があって開くのでその時に件数にちょっと慄いたりしつつ。
以前に比べて連絡先の交換ということへのハードルは下がっているとはいえ、
それでもLINEで繋がっている友人は心から好きだなと思えるみんなばかりなので、
圧みたいなものは一切感じない。
…開けてないのもたくさんあるけど、みんなそんなこときっと分かりきってる、って甘えてる。
甘えられる。 そんなとこまで、いつも通りに、している。研磨くんに言われた通りに。
【穂波ちゃん、インスタグラムを見ました。
ちょっとどう表現していいのかわからないけど、とても綺麗だった。
心に、優しく追い風が吹くようなそんな心地がしました。
会いたい。でもまだ会えなくても大丈夫、って思っている自分がいる。
夏休み、楽しんで。身体には気をつけて】
白布くんに返事をして、さぁさ海に戻ろうと思ったところで
京治くんからちょうどLINEが入ったので開いてみた。
すぐそこに京治くんを感じることができる文面に心が静かになる。
今感じた京治くん全てを取り込むようなイメージで。
わたしの血に、骨に、筋肉になっていくようなイメージで。
深く息を吸って、それからゆっくり吐き出す。
返事は少しあとでゆっくりさせてもらおう。