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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第15章 バンバンジー


ー赤葦sideー








23時。

塾講師のバイトを終え帰宅し、
諸々を済ませソファに座り携帯を開く。

今あちらは…サマータイムだから7時か。










2年になる前の夏休み、かなり詰め込んだ、と言っていた。
サマーセッションという夏期にある講義をフルで。
計4種類の必須科目と1種類のちょっとわくわく要員のクラスをとると。

今は先月25日から始まり、7月3日に終わる6週間のクラスのみだったはず。
けど確か来週… 月曜から10週間のクラスが始まり、
そこからどんどん入り組んでくると言っていた。

一学期間使って学ぶ内容をぎゅっと6週〜10週のセッションで学ぶ。
それを5つフルでとるというのだからさぞいそがしいのだろうと思った。

でも穂波ちゃんの手紙の文面からも
電話越しの声からも、わくわくしているのがすごく伝わってきた。

魅力的だ、と何度でも思うと共に、
自分も、と力をもらう感覚は高校の頃からなんら変わりはない。












そんな、学業にそれから趣味に、日々の生活に
決して時間に余裕のある夏休みを送っているとは言えないだろう穂波ちゃんからの、
彼女を恋しく思う全ての人へと向けたメッセージのようにも感じた。

…その、動画を目にした時に。

そんな浅はかなものではないだろうし、
たとえそれも間違ってはいなくても、
それだけではないだろう。

…いやむしろ、そんなに大それたことは掲げてはいないような気もしてくる。
穂波ちゃん自身は。きっともっと、謙虚で控えめなもののような。

それをミステリアスさ含めここまでのクオリティと
それをみせつける…プロデュース力みたいなもの。
これは、おそらく孤爪が関わってる、いや間違いなく… と
初めて動画を目にし、10回近くリピート再生しながら思った。

そして、10回くらいみた後でやっと、タグ付けされているアカウントに飛び、
その(株)bouncing ballという文字をみて、
孤爪は起業をしたのではないかと思い至った。

そうだとして、どのように関わっているのか、
どういう算段なのかは憶測しきれないが、
バイト前に見た時はなかった投稿を見て、
少し孤爪の行った作戦変更、みたいなものを感じとることはできた。気がする。













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