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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第3章 くじら


ー赤葦sideー






烏野を見送り、
少し練習をしてクールダウンをしたのちに片付け、掃除の時間。







今年は阿部さんがいるし、と思って調理室へ行くのを戸惑ったが、
もうこの際なんでもいいか、というか。

自分のするべきことが終わったら
穂波ちゃんが掃除してるだろう調理室へと向かった。







近づくにつれ、きゃっきゃっと聞こえる話し声。
昨年の白福や雀田さん、他校マネージャーの皆さんと喋る穂波ちゃんにも思ったが、
好きな女の子が、楽しそうに他の女子と話している様はいい。

なんというか… 癒し?というのだろうか、よくわからないがとにかく良いものだな、と思う。









『あ、京治くん!』

「あ、赤葦さん。お疲れ様です」

「うん、お疲れさま。もう終わっちゃったかな?」

『そうなの、のんちゃんいると早くおわったの。
それでついお喋りしちゃってた。他に何かすることあるかな?』

「大体みんな終わってそうだったよ」

『そっか、よかった』

「あ、あの、私ちょっとお先に抜けても良いでしょうか?」

「…?」

『あっ、うん、みんなのとこ行きたいよね、どうぞ!のんちゃん、ありがとうね』

「いっいえ、そういうわけではないんです。穂波先輩とのおしゃべりはすごく楽しいです。
でもそうですね、ちょっと他校のマネージャーたちのところに行ってきます!」

『うん!いってらっしゃ〜い』






明るい笑顔で、ひらひらと手を振って阿部さんを見送るその姿に目を奪われる。
本当に、綺麗な子だな、といつも思う。







『京治くん、今大丈夫?』

「あ、うん。だから来たんだよ」

『あ、そっか』

「うん、どうかした?何か手伝う?」

『ううん、あのね、昨日ちゃんと伝えてなかったなってことがあって。いいかな?』

「うん、じゃあ、歩きながらにする?なんとなく、だけど」







西日の指し始めた調理室で2人きりで向かい合ってると、
触れたいという気持ちがまた溢れてきてしまうと思った。







『うん!そうだね、じゃあそうする!』








穂波ちゃんは水筒を指に引っ掛けて、調理室を出る。
鍵を閉め、『じゃあ、鍵を返しに遠回りしながら…』と呟き、歩き出す。











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