第15章 バンバンジー

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「可愛いー顔してんねー、ちょっとフードもマスクもとってもっと顔見せてよ。
こんなとこで一人で突っ立って、声かけてもらおうと思ってたんじゃねーの？」











マジかよ、マジで研磨絡まれてるんですけど…
おっさんだったら若さと力で勝てるとおもったけど、
なんかソフトマッチョな普通にイケメンの若いお兄さんなんですけど……











「…け　…俺の連れになんかようですか？」











名前を呼びそうになった。
けど、こいつに研磨の名前を知られたくないって思った。
ら、気付いたらそんなこと口走ってた。











「…あ、クロ。　遅い」

「すまん、行くぞ、みんな待ってる」











思わず研磨の手首を掴んで歩きだす。











「…クロ」

「………」

「クロ、痛いってば… 離して」

「…あ、わりぃ」

「あと歩くの速い」

「…わりぃ」

「…いーよ、謝んなくて。助けてくれたんだし」

「………」

「…ありがと、クロ。助かった」











オイオイヨイヨイ…
なんだこの状況は…
収拾つかないじゃねーか…











「…わかってたけど」

「は？」

「…わかってたけど、ずっと。
クロがおれの歩幅、ペースに合わせておれの隣にいてくれてたの」

「………」

「今思い知った感じ」

「………」

「…はぁ、今日だけで男から三回も誘われた……おれそんな感じする？」

「え、は！？　ど、どんな感じ！？」

「男に声かけてもらえるの待ってる感じする？」

「……わかんね。　けどお前は、」











色白で、綺麗な顔立ちして線が細くて…
そのくせ勝気なその目や雰囲気は…











「…男のSっ気は誘いそうだよな」

「は？」

「いやでもM気質も引き寄せそうだよな…」

「…チョット、やめてよクロ、そんなこと聞いてない」

「お前がふってきたんだろうが」

「…そう、だけど」










じゃあお前はなんで、あえてリエーフっつった？そんで何で笑った？
…そんで、俺は、なんであんなに感情が揺らいだ……？