第14章 蜂蜜
ー穂波sideー
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3週間の滞在はあっという間で。
もう明日研磨くんは日本へと帰ってしまう。
研磨くんはこっちにいる間も、株のこと、ゲームのこと。
多少ゆるめにしつつも、しっかりとやることをやっていた。
わたしもわたしで、日々を過ごした。
研磨くんがいなくても流れていただろう時間を
研磨くんもいる中で過ごせるのはやっぱり特別だなぁって、何度も何度も思った。
お兄ちゃんの大会の様子を一緒にみたり、
カズくんと3人でスケボーしたりサーフィンに行ったりもした。
大学のあるエリアでゆっくり過ごしたり、
一緒にシッターに行ったり、バイト先のお店に研磨くんが来てくれたりもした。
それもわたしの日常の中の出来事ではあるけれど。
それでもやっぱりもっともっと根っこにある、寝ることや食べることを共にできるのって、
当たり前だからこそ全然当たり前じゃなくって。
だから本当に幸せを噛み締めてばかりの3週間だった。
今日は土曜日。
今日も明日もバイトは入れてない。
今日の予定はとくに、ない。
強いていえば、穂波のご飯食べたい。3食。
っていう研磨くんの望みを叶えることが、予定かな。
お兄ちゃんがオーストラリアに行く前の日のBBQで翔陽くんと電話をした数日後、
研磨くんがずっと考えていたことを話してくれた。
ぼんやりと思っていたけど、
電話をしてより確信が持てたから話すね、っていう感じだった。
それはとてもわくわくすることで、
そしてすごく2人らしいなって、思った。
まだ、翔陽くんには伝えていないとはいえ、それすらも何だか。