第14章 蜂蜜
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車の中で、すぐにでも穂波に触れたかったのを我慢して(キスだけで)
玄関でもシャワーでも我慢して今、ベッドの上、穂波と身体を重ねてる
まだいれてないし、決定的なとこには触れてない。
ただただキスをして、肌を寄せて、肩や頬や腕や首に触れて、みたいな。
なんだろう、こっちに到着した日と次の日は、
我慢なんて出来なかった。どこでも求めたし、何度でも重なった。
それでいい、っていう感じがあった。
けど今日は、違う。
この間が大事に出来てないってわけじゃない、あの時はあの時。
でも今日はなんていうか、大事に、じっくりと。みたいなそんな感じ。
「…下着つけてる」
『…ん』
襟元が大きめに開いたTシャツから片方の肩を出すようにずらすと、下着の紐が見えて。
それをやわくくわえながら言ってみれば、恥ずかしそうに頷く。
シャワーを浴びた後、寝る前。
穂波は基本下着をつけない。
けどたまにこうしてつけて、ちょっともじもじしたりする。
服の下がすぐ素肌なのもすきだけど、
もちろん下着姿もだし、脱がせるのもすき。
だからどれでも、すき。なんだけど。
わざわざ着たのかなって思うと、なんか唆られたりする。
そのまま時間をかけて穂波の身体に触れて行く。
指で、たまに爪で。鼻先で、唇で、舌で。
下着はぎりぎりまで脱がさず、味わった。
白い、下着。 紐とかの線が細くて、レースがきれい。
それからもういれるね?ってなった時、
穂波はおれの首に腕を絡め上目遣いでおれを見つめて、
『…研磨くん、お願いがあるの』
…って言った。
そういえば、そうだった。