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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第14章 蜂蜜


ー研磨sideー










アメリカのレストランのディナーで、
花束を渡すってそんなに仰々しいことではないと思う。

日本でもそれなりのとこなら、全然普通なんじゃないかなとかも思う。
なんていうか慣れてるんじゃないかなって。
店の人や店に来てる人が。



実際、花束を頼んだときもすごい、なんでもない感じだった。
受け取りに行く時も、特別冷やかしとかそういうのもないし、
だからって冷たいわけでもないし、
ほんとに軽やかでセンスのいい会話をしながら進めてくれる感じ。

おれが花を持って席に向かう時も
何も頼んでないし何も言われてないのに、
さらっと穂波の目線をおれから逸らしてくれたりして。

その時にはもう、会計先に済ませちゃってたけど、
こういう心遣いにひとはチップってのを払うのかなとか思った。

……この店は会計にちゃんとサービスチャージが含まれてるからチップはいらないみたいだった。
最近はわりとそういうとこが多いっぽい。











2人で五万ちょいくらいかな。
全然、安いって思うのは、そりゃおれの財布状況もあるかもだけど。

なんだろ、おれも穂波も、ものにこだわらずにいる。
それは初めて過ごすクリスマスのときに話したんだ。
これから一緒になんども祝い事をするなかで、
プレゼントを選ばなきゃっていう風にはなりたくないから。
ピンとこなかったらそれはそれで良いんじゃないか、義務じゃないよねって。

でも、一緒に過ごす時間とかそういうのを大事にしたい、みたいなこと。











外食って、美味いご飯を提供してくれるだけじゃない。
時間とか空間とか、そういうのひっくるめての代金だと思う。
しかもそれって、そこにいるあいだだけのことじゃない。
その前後少なくとも2、3時間は作用する、副作用みたいなもの。










今日の店で、今日のサービスで、今日の食事で。
今日の時間で。 って思うとほんと安いくらいだ。

何より今日は穂波の19歳の誕生日なんだから。













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