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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第14章 蜂蜜


ー研磨sideー










店に預かってもらえばいいってアキくんが教えてくれて、店行く前に確認の電話しておいた。
それでデザートの前に取りにくるってことで、預かってもらってた。

それで今渡して、穂波は丁寧に抱きかかえてじっくりと花を見ながら涙をこぼして。
全部が綺麗だなって、涙も、指も、眉毛も、唇も。

ほんとすきだなって、思いながら穂波のこと見てた。












『ねぇ、研磨くん』

「……」











花束から視線をおれに移して、見上げるように名前を呼ぶ。
涙で潤んだその目で見つめられると、なんか、ぐってなる。心臓のあたりが。












『抱きついてもいいですか?』

「…ふ うん、いいよ。おいで」











いつもはそんなこと聞いてこないのに。
ここがレストランだからだろうか、穂波はわざわざ確認をとった。
それからいつもみたいに衝動的に抱きついてくるんじゃなくって、
ゆっくりとおれの方に近づいてくる。












……待てないんだけど。












もう抱きしめるに十分な距離になって、
穂波がはんなりとおれに寄りかかろうとしたタイミングで、
おれは一歩足を出して、穂波のことを抱き寄せた。

…こんなことしたの初めてかも。

いつも外では穂波が抱きついてきて、おれも抱き寄せたり。
そのまま軽いものだったり、流れに流れてちょっとエスカレートしたりはあったけど。

こんなふうにおれからぐっと抱き寄せるなんて、初めてだ。














『研磨くん、だいすき』

「…ん」












穂波はおれの腕の中でそう言って、おれの腰に腕を回す。
ぎゅって、服を掴むようにして。

だからかな、なんか、儚げな感じをすごく感じた。

どんな穂波もすきだ。
けどたまに現れるこういう消えちゃいそうな儚い穂波の一面をみると、
なんだろう。 おれが、みたいな。

厚かましいにもほどがある、たいそれた想いが自分の中にあるのに気付く。













おれが、守るから。












みたいな、ほんと、なにそれって感じのやつ。













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