• テキストサイズ

【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第3章 くじら


ー月島sideー






「俺は、そうだな… 行くよ、穂波ちゃんのとこ」







今までの赤葦さん… ってそんなよく知らないけど、
でも今までの感じだったら今日はいいかな、とかいうと思ったんだけど。








「…そうですか。じゃあ、まぁ、しょうがないですね」

「………」

「僕も…」








その時、スズメが穂波さんの上を飛び越すようにして玄関側に降り立った。
チュンチュンと鳴きながら。 3羽のスズメが。

こちらからは見えなかったけど、きっとこの3羽のスズメが前方にいたんだろうな。
だから、あの歌を連想して歌い出したのか…
そう想像するとさらに愛おしさが増した。









『あー!京治くんと蛍くんと …研磨くんもいる!』







スズメの動きに誘導されるようにこちらを振り返った穂波さんが
嬉々とした声、それでも落ち着いた声でそう言った。

僕と赤葦さんはばっと振り返る。

孤爪さんは僕の後方にいた。
…一体いつからいたんだよ、怖いんですけど。







『スズメも3羽、3人も3人♡』







よくわかんないことを嬉しそうに言って、
穂波さんは携帯をチェックした。
そして立ち上がり、






『みんなおはよう!良い朝だねぇ …こんなみんないるなら、もっとゆっくりしたくなるなぁ』






そんなことを言いながらこちらへと歩いてくる。
タイムオーバーか。






『調理室に行くね、良い時間を過ごしてね♡』







そう言って僕たちに笑顔を向け、
孤爪さんの頬にちゅっと口付けて去っていった。








…いやまた、変な3人残されたんだけど。








「…じゃ、僕は戻ります」

「俺はここで本読んでいくよ」

「…おれもっかい布団いく」








避けてるわけではないけれど、
穂波さんがこの場を去った今、
朝から一緒に過ごす理由もない3人はそれぞれに赴く場所へと散り散りになる。










/ 1069ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp