第13章 空
ー穂波sideー
『卵黄の醤油漬け乗せのぶっかけうどん、ササミと夏野菜の揚げ浸し、
モロヘイヤとしらすのポン酢和え、トマトと玉ねぎのサラダ、きゅうりの浅漬け …とかどう?』
「いい! 旨そう! タンパク質は卵とササミか? …この夏野菜って何入れるんだ?」
『しらすにもあるかな。揚げ浸しの夏野菜はなす、かぼちゃ、おくら、ズッキーニ、ピーマン、ししとうあたりかなぁ?
とうもろこしも気をつけてできるかな。
買い物に行って、たくさん並んでるのとか国産でお値段が比較的手に取りやすいのが基本、旬の野菜になるから、
その辺は臨機応変に変えるといいよ』
「栄養的には絶対なすはいるとかねーの?」
『…あー、その辺は詳しくはわからないけど、
そんなことが絶対に必要なら、どうやって人は冬を乗り越えてきたんだろうね?
旬のものには栄養がしっかりあって、旬のものを美味しくいただくのが近道に思っちゃうけど。
それに世界中に人はいて、季節の移ろい方も様々で… だからそこまで頑ななものではないと思う。
…あ、でも貯蔵とかね、昔からあるし、いろんな知恵はあるはずだし、んー…
その辺ももっと勉強してみるね。 楽しいね、翔陽くん?』
それからもう一つ違う献立を考えて、
本当にそろそろ寝ようと思ったら次は卵かけご飯バージョンで!ってなって、
じゃあそこにお味噌汁つけよっかとか、せっかくならおかずも変えよっかとかしていたら
研磨くんと翔陽くん以外のみんなはもううとうとと座ったまま寝ていて。
みんなに声をかけて寝る部屋へと向かった。
なっちゃんのことは翔陽くんがだっこして連れて行ってくれた。
部屋を出る時に
「穂波ちゃんありがとう!
身体を作るものを考えることがすっげー普通の感覚で入ってきた。
こうっじゅわーっつーか、しゅぱーんっつーか…」
って言ってくれて、なんだかとても嬉しかった。
『You are what you eat』
「…ふぇっ!?」
『明日の勉強会でね♡ おやすみ、翔陽くん』
「おっおやすみ穂波ちゃん、谷地さん。 ユッユッーアー……」
そんな感じでその夜は更けていった。