第2章 ふたり
ー穂波sideー
5月7日(火)
昨日の夜オーストラリアから帰ってきて、
今日はGW明けの登校1日目。
研磨くんとは違うクラスになってしまったけど、
昼休みは大体いつも一緒に過ごしていて、
ただ、クラスが違うだけっていう感じ。
2年間クラスが一緒で想像がつかなかったけど、
別になってみればなってみたでどうってことない。
例の如く、朝は遅刻してしまったので朝練後の研磨くんには会えなかった。
遅刻はサーフィンにとっておかないとね、って研磨くんに言われてるのに。
今日はサーフィン行ってないのに遅刻…!
何だかちょっと悔しい。 まぁ悔しがってもしょうがないか。
昼休み。
遅刻した=超簡単なランチを持って研磨くんのいる2組の教室へ。
『けーんまくんっ』
「あ、穂波。 おかえり。 遅刻したって高木先生が教えてくれた」
『…ただいまぁ。 高木先生大丈夫だった?』
「うん、別に。 ただ、早々遅刻してるわって言ってた」
『…よかった。 …いただきまーす』
遅刻した時は大体おむすびかボリュームサラダ。
今日はサラダ。
リーフ、ブロッコリー、オリーブ、にんじんラペと紫キャベツのマリネ。
アボカド、カマンベールチーズとチキンハム、ブロッコリースプラウト。
もりもり、むしゃむしゃ。
「高木先生が担任なのは穂波にとってよかったこと?」
『うん、高木先生は結局寛大だから。わたし的にはよかったかな』
SATっていうアメリカの進学希望者が受けるテストがあって、
一度受けたんだけどまだやっぱりぜーんぜん点数が及ばなくて。
2年の時に受けたから当たり前なんだけど、
できたらさっさと点数取ってしまってラクになりたいって思うわけで。
そんなわけでどうせ勉強するんだし、
3年は特進コースのクラスに入れてもらった。
成績は問題ないから、どうだ?って言われて、なるへそ…ってなって。
幼馴染の周平という秀才がいるので、
プライベートでもわかんないことがあったらすぐに聞けるし、
なかなか良い進み具合だと思う。
そして特進クラスの担任が今年は高木先生だったのである。