第2章 ふたり
ー研磨sideー
「いやいやいやいや!」
「月島それっぽく言っておきながら!」
「それめちゃめちゃ熱い感じじゃねーか!」
「おー!いいな、月島!気に入ったぞ!2人が2人だから、な!」
「なんなら一番熱いじゃねーかよ!」
「月島くん、むっつりですか? むっつりなんですか?」
…おれは月島のは一番すきだったけど
…え、それって一番熱いってこと?
いやいやそんなわけない
そんなわけ、あるか
熱くなんかないし、さっき月島が言ったことのどこが熱いわけ
脳筋組の言い出すことはほんと、よくわかんない
「はぁ!?なに言ってんの、いい加減にしてよね。
熱くもないし、むっつりでもないから」
「むっつり熱血!」
「………」
月島のいろんなところに怒りマークが見える
…はぁ
「穂波は…」
「………」
「穂波、のびのびとしてて、すごい楽しそうで」
「………」
「それ、見てたいって思うだけ」
「………」
「翔陽は、わかると思ったんだけどな」
「…研磨、おれわかってるよ。別にわかんないなんて言ってない!」
「月島が言ったことは、穂波が聞いたら泣くと思う、嬉しくて」
「………」
「だからどうってわけじゃないけど、もうこの話は終わりにして」
「はいはい、じゃあこの辺でおしまい。みんなちゃんと飯食えー」
力くんがぱんぱんと手を叩いてその場が収まる。
この人、ほんと安心する。
穂波が名前の通りの人だ…って
ほわほわした顔でちょこちょこ言ってたけど、
今回、主将になった力くんに会って、
穂波がほわほわする気持ちがチョット分かった。
ご飯の後、学年別に風呂に入っていって、
みんなわいわいがやがやした後に
烏野コーチの怒号でピタッとみんな静かになって、就寝した。
…明日の夜、穂波は帰国する。
早く会いたい。