第13章 空
ー月島sideー
…こっちが朝になってから、か。
でもまぁ、そうだよな。
などと考えて、布団に入りおとなしく寝た。
もし、1時間後に、と言われたら起きていてしまう状態だったと思う。
朝起きて支度をして、バス停へ向かうときにでも電話をしようか、などと考えたものの、
結局待てずに6時前、家を出る前にに着信ボタンを押していた。
…向こうは、14時前か。
『はい、もしもし』
「あ、穂波さん、蛍です」
『うん、蛍くん、おはよう?電話ありがとう。
あのね、今からまた講義なんだ、だからね…』
「1時間後でいいですか?」
『いやそれが2時間なの』
「2時間? …いいです、2時間後電話ください」
『わたしがかけていいの?』
「…じゃないと、なんか僕おかしくなりそうで」
『……ん、わかった。 じゃあ、電話するね。 電話ありがとう』
「はい、じゃあまた」
なんだよ、また講義か。
しかも2時間とかあるの?
と内心悪態をつきつつ、
たとえどんなに短いやり取りでも声が聞けるのは嬉しい。
あの短いやり取りで、おはようもありがとうも聞けた。
…2時間後か。
まだ朝練やってるし。
今日くらい少し早く抜けようか。