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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第13章 空


ー穂波sideー







7:00。
水曜は8時から数学の講義を取ってる。
海から上がって携帯を見ると蛍くんからLINEが来ていた。








【小包、届きました。ありがとうございます。
電話したいです。またかけます】







電話したいから、手短に。
と言ってるみたいなメッセージに思わず笑みがこぼれる。









【部活、おつかれさま。わざわざ連絡ありがとう♡
こちらは今日が始まったばかりだから、蛍くん、焦らず、休んでからでも電話くださいな】







水曜日は3つ講義がある。
予習や復習に充ててるとはいえ、
講義と講義の合間に時間もあるから電話には出れると思う。

その時日本は何時かなんて、あまり深く考えずにメールを返した。

日頃から連絡を取ってる研磨くんも学生だけど
ちょっと時間の軸が違う生活をしているし、メールに関してはそんなに考えることがない。
もちろん寝ているだろう時間やいそがしそうな時間は避けるけれど…







それから8時前に着信。
その時はっと気付いた、この時間って研磨くんが夜中にくれる電話だ、って。








『はーい』

「え? あ、穂波さん、僕です蛍です」

『うん、蛍くん、わかるよ。声が聞けて嬉しい。
あのね、今から講義なんだ、だからね…』

「1時間後でいいですか?」

『…んーとね、』








もちろん1時間ちょっとあとに電話をくれれば出れる。
出れるけどそれは日本の午前1時。

うん、出れるよ、また後でね。なんて言うわけない。
相手は研磨くんじゃない。受験生であり、部活もまだまだ続けている蛍くんだ。







『…いや、授業は1時間なんだけどその後もやらなきゃいけないことがあって』







嘘は、ついてない。
11時からあるフランス語の復習に充てようと思っていた。






「…そうですか」

『んーと』








13時から1時間空いてるけど、向こうは5時だし… 流石に、ねぇ。
なんだか蛍くんは声が聞きたい、だとか言って
起きてしまいそうなとこもあるから考えてしまう。







『んと、そちらの朝が始まって、くらいかな?』







8時を少し回って先生が講義室にやってきて、
足りない頭で考えた末の返事はなんとも曖昧なものだった。


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