第12章 Hi!
「いやお前ほんとそういうとこ… その感じで実はいろんなやつ絆してんじゃないだろうな」
「なに言ってんの」
「あー… 焼きマシュマロ達と話してー… お前の一言の威力はやっぱずりぃわ」
「クロ、さっきから意味わかんない」
「はいはい、意味わかんないですよーっと。まぁ、やること色々やって、最短でいつ会えそうなんだ?」
「2月、かな」
「来年の?」
「うん、こっち春休みだし。向こうはまぁ、普通に学校あるだろうけど、それがいい。
なんか、普通に向こうでの日常に行くくらいが良い」
「…てか半年くらいじゃん。あっという間だな」
「そ、半年。 すぐだよ」
「…じゃあ、俺の出番はなさそうだなー。 ま、メシ作りにくるわ」
「…それなんだけどさ」
「……」
クロがギクって顔をする。
さっきはいきなりキレて、次は何に怯えてるんだか。
「恋しいとか、ご飯作りに来るとか、そういうのないとダメなの?」
「…は?」
「別にもっと普通に、来たいから来る。
会いたいから会う、それじゃだめなの?
おれとクロが会うのに、理由が必要?」
「……」
「…なんで耳まで赤くしてるの、なんかクロ今日変だよ」
「…ごもっともです」
「それはなにに対して」
「どっちも」
「…ん、だからさ、会いにいくことあるかもしれないし、なんの理由もなく来て良いよ。
おれはなにもしないけど、ご飯作りたいなら作れば良いし、食べにいくでも良いし。
クロなら、別におれは全然、構わないから」
「…っだぁー なぁ、研磨、抱いても良い?」
「は? なに言ってんの、やめてよ、だめに決まってる」
「なんで、俺が男だから?」
「違う、穂波じゃないから」
「……」
「……」
「っはぁー お前、いつからそんなスーパーダーリンになったんだよ」
「は? スーパー… え?なんて言った?」
「はいはい、抱きたいくらい今日の研磨は可愛いけど、あいにく俺も本気で言ったわけじゃないんで」
「いやちょっと、目が本気だったよ。 クロ、恋人作らないの?」
「だからそれはお前らが……」
それからクロは、彼女ができない理由をおれと穂波のせいにして、寝るまでずっと喋り続けた。
文句言ってるくせに、嬉しそうで、最後までよくわからなかった。