第12章 Hi!
ー研磨sideー
普通にキスしたい。
口塞いで、って言われて、普通にキスしたいけど。
キスしたらおれ、多分、もうすぐイっちゃう。
だから、指を咥えさせた。
…案の定、エロい。
おれを涙目で見つめながら、おれの指に舌を絡め吸い付く。
ナカは波打ちながらおれを締め付けて、今にも搾り出そうとしてるみたい。
胸はおれの動きに合わせて揺れて、声は出さずとも漏れる吐息が色っぽくて。
だからどのみち、そんなもたないかも……
「ねぇ、穂波」
『…んっ』
「ずっと前から思ってたんだけど……」
『…──ッんー!』
穂波の口から指を抜いて、
その手を穂波の下腹部に添えてそれから
そっと、でも弱すぎないように押した。
穂波のすきなとこ、
ナカの奥のとこ。
外から押したらもっと気持ちいいんじゃないかなってずっと思ってて。
やってみたら、ちょっと、びっくりするくらいの反応を、して。
思わずお腹から手を離して、口を塞いだ。
「…穂波?」
口を塞いでみたけど、もう声なんて出ないみたいで、
手を緩めて声をかけるんだけど、
焦点の合わないうつろな目で天井を見つめて、それから身体をピクピクとふるわせてる。
……刺激、強すぎたかな。
しばらくそのまま様子を見て、
数回頭を撫でたところで穂波の意識が戻ってきた。
頭を撫でるおれの手に、手を重ねて、でもその手は力が抜けてて。
うつろな感じはそのままなんだけど、でもちゃんとおれの目を見て。
『研磨くん… お願い……』
「……ん、わかった」
もう、とどめを刺してって言うみたいに、
綺麗な声でお願い、って言った。
もうやめにして、じゃないとこがつくづくエロいと思った。