第12章 Hi!
ベッドの端に2人、腰掛けて。
わたしはいつになく身体に力が入っていて。
そんなわたしをリードするように研磨くんは、わたしの髪を耳にかけ直す。
それからキスをしながら、そっと、わたしの腰に手を回した。
どきっとすると同時にすごく、安心した。
身体の力がすこぉしだけ抜けていくような、感じ。
研磨くんのキスに身を預けていると、気がついたら背中がベッドに着いていた。
「もっと触ってもいい?」
『ん、…触ってほしい』
「…ん」
おでこ、こめかみ…と優しいキスが落とされる。
そのまま研磨くんは耳元、首筋…と顔を沈めていく。
唇でそっと、触れるように撫でるように、優しいキス。
『…ッん』
「ねぇ穂波」
『ん?』
「脱がせてもいい? もっと見たい。 もっと見せて」
『……ん、研磨くんも』
「あぁ、おれも、うん。脱ぐね」
そう言って躊躇いもなく、でも決して荒々しくはない所作でTシャツをぱさりと脱ぐと、
もう部活をしなくなって結構経つのに、筋肉はあの時から変わらない感じでついていて。
そんなこともう… 毎日のように見ていて知ってるはずなのに、
何故だか今日は初めて見るみたいに眩しくて、色っぽくて、思わずごくりと生唾を飲んだ。
研磨くんの、男性味に、と言ったらいいのかな。
怖い、とか言ってるくせに、しっかりと惹かれていて、やっぱり考え出すとよくわからないのだけど…
それからそっとわたしのTシャツの裾を掴んで、脱ぐように促される。
身体を浮かせ万歳をして脱がせてもらうと空気、
それから研磨くんの肌が素肌に当たる感触が妙に生々しく感じた。
おへそなんてしょっちゅう出してるし、
水着姿とかも普通の人よりずっと多い。
肌が出ることへ抵抗はなく育ってきたのに。
恥ずかしくて恥ずかしくて、仕方なくて、
思わず両手で身体を覆った。