第12章 Hi!
ー黒尾sideー
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「ねぇ穂波ちゃん」
『ん?』
「うん、そのいちいち可愛くてエロいのやめてもらえる?」
『…え、』
呼ぶ度に、かわいく返事するのとかマジで罪深い。
この子は出会った時からずっとそうだしずっとエロい。
研磨の彼女じゃなかったらほんと、どうなってたんでしょ、俺。
音駒メンバーでの二次会みたいな夕飯を終えて、
順番に風呂に入りつつ、UNOだのババ抜きだのをしている最中、
縁側に夜風を浴びに出ると穂波ちゃんが居て。
隣に座って少し話した。
「すっげー今更なんだけどさ、素朴なギモン、聞いてもいい?」
『わ。質疑応答? うん、いいよ』
「質疑応答? …まぁ、そうか」
穂波ちゃんは謎に瞳をキラキラさせて、その、質疑応答を快諾した。
「研磨とカズくんって俺から見るとすっげー似てるんだわ、もうあの夏のBBQの日から変わらず」
『うん』
「なんでさ、カズくんと同棲しようって思えるんだ?」
『同棲ではなくハウスシェア。カズくんはシェアメイト』
「…でも当面二人きりでしょ?」
『そうだね。 カズくんは確かにかっこいいし、どんどん色っぽくなってくし、
研磨くんの言う通り、男の人として捉えるべきだと思う』
「…年齢的にもそういう年頃になってきてるよねぇ」
『だよねぇ』
「…って、全然質疑応答になってねーじゃん!笑 これはあれだよ、普通に会話」
『んふ、だね。 会話したいな、わたし、クロさんと』
「…だから君はそうやって」
『そうやって?』
生脚を投げ出して、上目遣いで俺を見上げて。
ほんっと、天然たらし怖い。
「…なんでもないです〜」
『クロさんは何が聞きたいの?』
「え? なんかいきなり鋭いのってエロくないですか?」
『クロさんどうしたのさっきからなんでここにエロスを登場させるの』
「それは穂波ちゃんがエロいから」
『きゃ♡ それはこういうことをしたら加速する?』
「は? いや君何を言い出して…」