• テキストサイズ

【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第12章 Hi!


ー穂波sideー








『え、なんで侑くんそんな顔…』

「どんな顔?」










く〜ぅんって聞こえてきそうな、甘えた顔。
その甘えた可愛らしい表情とは対照的にまだ行かないでって、手首をぐっと握る力は強くて。
うるうると甘い目をしているくせにその、目に宿る意志みたいなものは頑なで。











『ん、行かないよ。 そんなすぐ行くつもりなかったし』

「ほんま? えかった」











なんでだろう、もう、知らないうちにどんどん、どんどん。
構図が出来上がってしまっている感じ。

からかって可愛いなぁなんて、反応をみていたはずなのに、
あれ、これって、わたし、手玉に取られてるんじゃ…?











「どないした?」

『ううん、なんでもない』

「何調べんの?」

『教えなーい』

「ふーん、そんなら手、離してやらんしー」

『え、普通に邪魔だよ、離して』

「離すか」

『んふっ… ま、いっか』










もう、しょうがないなぁ、って口から出そうになって。
なんかそれって、すごく、そんな感じがすごくってつい、言い換えてた。無意識に。










辞書を開いたわたしの手首を掴んでるまま、侑くんは一緒にページを覗き込む。










「俺わかった、穂波ちゃんが何調べたんか」

『わかった? 言わなくていいよ』

「なんでし、そこはクイズみたいにしろや」

『言わなくてもするくせに』

「なんや、つまらんの」











言葉遣いも汚くなったりして、どんどん、侑くんがくだけていく。
口先を尖らせてつまらんと言う侑くんはそれは、それはかわいくて。











『…じゃあ一回だけ』

「何が?」

『解答のチャンス』

「っしゃ、じゃあ、当てたらせやなー」

『………』

「明日俺が帰る時また、ほっぺにチューして?」

『へ?』










言う人によっては、なんて大胆な。というお願いなんだろう。
でも、侑くんに言われると、なんて控えめな。と感じている自分がいて。
そしてわたしは、気がつけば、いいよって答えてた。















/ 1061ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp