第12章 Hi!
話し声、笑い声がするからふって目を遣ると、
縁側でお姉さん座りしてる穂波ちゃんと
その真横っつーか真向かいっつーかみたいな感じで片膝立てて座ってる侑くんがいた。
とにかくまず、距離が近かった。
…いや、穂波ちゃんには俺もそれなりに慣れてるから
物理的な距離感のことだけじゃなくて、なんつーか。
『チビサムくんは思いました。どうしたらまた、ポンセンを手に入れることが出来るかと。
それから少し考えた後、信介さんの家で宿題をやることにしたのです』
「歩いて向かったので、到着したのは日が暮れる頃でした。
北さん家はもう夕飯は済んどって、ほんで、チビサムは聞かれます。どや、いっぱいやるか?」
『んふ、信介さんがチビサムくんにお酒勧めた。笑
どうしよう、自分で始めたけどここからどんどん、意味合いがヘビーになっていくよ』
「…ほんまやな、いやでもこれ完結させなあかんやろ」
『ね、そうだよね。 ……チビサムくんは正直に心中を伝えることにしました。
あれだけのポンセンではやっていけないんだ、と。
そしてどうしたらより多くのポンセンが集められるのか尋ねました』
「もらっといて図々しいなー! あれだけのポンセンではやっていけないってなんやし!笑」
『ふはっ…笑 …でもさ、どうにか生活するって意味があるんだね。
聞いても難なく意味を想像して話はわかるけど、いざこうして知るとへぇ、が止まらない』
「ほんまそれ。おもろいな、辞書で遊ぶん」
『でしょ!「ぱらぱら〜ってして、へぇ…って」』
『んふっ』
「だはっ」
てな感じで、辞書を二人で覗き込んだり、
お互いの目を見遣ったりしながら、
額が今にもくっつきそうな距離で、
くすくすけらけら楽しそ〜にお喋りしてたわけ。