第12章 Hi!
ー侑sideー
後から聞けば、買い出し組とあとゲーム部屋でゲーム組と、食った後の昼寝組。
それからちょっくら散歩組。
そんな感じやったみたいで奇跡的に、しばらくずっと縁側で二人っきりやった。
「やるって漢字あんねや」
『へー、どんな漢字?』
「んー、わからんけど画数多めな」
派遣の遣や、わかっとる。
けどちっさい字を一緒に覗き込むんええやん。
『へー…使いを遣るとかそういうのはわかるけど…
この全部の意味でこの漢字は使えるのかな。
改めて見るとほんと、いろんな時に使えるし実際使ってるよねぇ』
「めっちゃ万能な言葉やんな、ほれ、これ見てみ。 読んで?」
『ん? やだ、侑くんそういうのセクハラっていうらしいよ?』
「ぶはっ なんそれw」
『なんそれって何さ』
「いや、そういうん気にせん感じかと思いきやいきなりきたわ、おもて」
『んふ、自分で発見して読むのと、読んでみて?ってわざと読まされるのは違うもん』
「まぁ確かに… 全部例文作ろや」
『え? いいよ、じゃあ侑くんからどうぞ』
「…サムを北さん家までお使いに遣る」
『きゃー、なんでだろう、
なんで治くんだけ小さくなって信介さんの家に歩いて行ってるんだろう〜♡
片手にカゴを持ってさ、ねぇ、何をお使いするのかなぁ?』
「いやいきなしテンションあがりすぎやろ、
チビサムのお使いとか全部穂波ちゃんの脳内での出来事やから。
……まぁ、あれやな、なんであれ褒美にポンセンでももらうんちゃう」
『ご褒美にポンセン!』
「………」
『やだかわいい…』
「はい、次」
『はーい… 侑くんのお迎えに車を遣る?』
「むっちゃ自信なさげやん」
『これよぉわからんわぁ〜 次行こ〜』
「はいはい… これは簡単やな。 穂波ちゃんの声のする方に目を遣る」
『おぉ、わたしも登場した。 次… お使いのご褒美にポンセンをやる。
…信介さんが、治くんに』
「ぉん、わかってんで。 …ポンセンをドカ食いして心を遣る? よぉわからん、むずいな」
『おおかた良さそう、ねぇ、思いやりってこの遣るだよね、ちょっと調べよ?』