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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第12章 Hi!


ー穂波sideー








はぁ…どうしていちいち、治くんとはすべてが、カチッときてしまうんだろう。

一緒にモロッコ行きたいな、って。

こんな風に会話してるだけで、一緒にモロッコに想いを馳せてるだけで、そう思ってしまう。





ううん、モロッコだけじゃないいろんな国。
国とは言わず、日本含めいろんな地域。






治くんの言う通りなのだ。
ロコモコも、トムヤムクンも、カルツォーネも、ナシゴレンも。
日本でも食べられる、各国の定番料理は日本で食べても美味しいけど。

やっぱりそれぞれの気候にさらされて食すのは格別な美味しさがあるんだ。

お味噌汁もどこで食べても美味しいし、
カリフォルニアに行っても基本毎日食べるだろう。

でも湿度とか…なんなんだろう、あの土地の持つ色々が。
やっぱり日本で食べると美味しいって、なるんだ。日本に帰るとしみじみ。










それにやっぱ…









『あのね、治くん』

「ん?」

『やっぱりさ、地元の人の通うお店には必ず行きたいけどさ』

「せやな」

『不意に知り合った人だとかそういう…地元の人のお家で食べる家庭料理は破壊力がすごいんだよ』

「…だはっ! やっば、想像しただけでくらったわ」









治くんは本当に打撃が入ったかのようにお腹に手を当ててそう言った。










『そういうの… そういう体験含めて』

「俺と一緒にしたいん?」

『…え?』











わたし何言おうとしてたんだっけ?
でも治くんの言う通り、言おうとしていたかはさておき、
治くんとしてみたいと思っていたのは確かで。










自分でも信じられないくらい心臓がばくばくいった。
治くんから目を逸らしたいのに逸らせなくて、
逸らせないのに目は泳いだ。治くんの左右の目を交互に見るみたいに。










そんなわたしをじっくりと味わうように、
治くんはプフから降りてわたしに近づいてくる。

ゆっくりとじりじりと距離が縮まる。

治くんの指が床についてるわたしの手に重なる。
膝が、ぶつかる。
冷房もつけずに部屋で話し込んでいて、お互いにじとっと汗ばんだ素肌が。










まずい… ほんとにこれは…











浮気どころじゃない












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