第11章 ラングラー
ー古森sideー
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「穂波、もう一口ちょーだい」
『ん、はい、あーん』
「…ん」
はい、あーん。 で、ぱくって。 …ん、って。
普通にただのバカップルなのにそれを嫌味なく成立させるこれは… なんだろ。
爽やかさと淡々さと、やっぱ自然な感じ?
すっごい盛り上がってるからのいちゃいちゃでもなくて
ほんと、ごく自然にやってるからかな。
ご飯食べ終わって、治くんは結局アサイーボウルのSを一人で頼んで。
俺も気になったし、角名も穂波ちゃんもみんな同じように頼んだ。
で、穂波ちゃんは研磨くんとそれをシェアしてるってわけ。
「ほんと、よくわからん2人」
「俺、穂波ちゃんが向こうおる間、遊びに行くな!」
「え!俺も行く!」
「俺も行くし」
『ふふ、ありがとう♡ 宿はあるから、都合が合えば是非に♡』
「そっか!お兄さん家!」
「サーフィンはやっぱ、スケボーと似た感じ?スポンサーがついて、的な」
『うん、そうだね。そんな感じ』
「なんか、リオの次のオリンピックからの新競技検討中的な噂を…」
『あ、それわたしも聞いた』
「…これって秘密?」
『よくわかんない』
「でも角名も知ってるし、別にここだけの話にするくらいどうってことないかな?」
「…そうやって漏れてくんだろうな、っていう典型的なパターンではあるけど」
「…ふ スケボーもサーフィンも新競技になるかもね。
カルチャー要素が強いから、受け取る側のフレキシブルさも求められるけど。
でもきっと、若い世代を掴むための新競技だろうから」
「え、研磨くんも知ってるの!?」
「…ん、まぁ、アキくんといろいろ話してて」
「…っていうかやっぱ俺オリンピック選ばれたい!
だってもしかしたら、カズくんが出るとか大いにあるじゃん!」
「まぁ、スケボーが競技になったら、それは大アリだろうね」
「お兄ちゃん何歳!?」
『24、だよ?』
じゃあ2020年の時は、とか数えて、サーフィンのスタンダードがわかんないけどあり?
ありえるんじゃないの普通に!とかって盛り上がってしまった。
だってこんな風な繋がりの人たちと、オリンピックで関われるとか想像しただけでアガるじゃん!