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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第3章 くじら


ー穂波sideー







今日はせわしない。

いつも京治くんといるときに流れてる静かな何かが、
ぐわんぐわん波打ってる。

その理由はわかりきってて、
話してるうちに勝手に泣いてしまった。






しばらく泣いたあと、
京治くんが注いでくれたお茶をお腹に流し込むと、
ほっと身体の中があったまる。

京治くんの優しくて落ち着いた空気にまた、包まれて、
ぐわんぐわんになってた心が静まる。






話すときもだけど… 話すときもできたらいいけど…
でもせめて聞く時だけでも。

心穏やかに、話してくれるその言葉を、気持ちを、その奥にある想いを、
なるたけ取りこぼさないように  …したい。







深呼吸。








『…ん、お待たせ、京治くん。待ってくれてありがとう』







京治くんの目を見つめそう、伝える。

京治くんの瞳が小さく揺れた。
なんでかはわからないけど、でもすごく綺麗だった。その瞬間。 
なんだろう、愛みたいなでももっと、パチ!っとしたスパークルみたいな。

そんなのが見えた、気がした。








「うん、本当に短いことなんだ。ここまで引き伸ばしておいておかしいんだけど」

『ううん、おかしいことなんてないよ。
どんなことでも、話したいって思ってくれたら嬉しい。聞きたい』

「…うん。 じゃあ、遠慮なく」

『うん』








そう言うと、京治くんは軽く目を瞑り一度深く息を吸った。








それから、ゆっくりとすーっと息を吐いて、瞼を開く。









「穂波ちゃん」

『はい』

「好きです」

『…はい?』








ん?

今から好きな人に関わる話をしてくれるとは思ってたけど… ん?









「俺の好きな人は穂波ちゃんだよ、出会った時からずっと」

『へ?』

「…えっと あれ、伝わってるよね?」

『え? ん? …ちょっと、迷子かも』

「………」









京治くんの好きな人は、他校の子。
彼氏がいて、それから同級生ってことも聞いた。








それから…










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