第11章 ラングラー
ー穂波sideー
今日のスープには、
玉ねぎ、きゃべつ、パプリカ、ズッキーニ、
トマト、枝豆、とうもろこし、押し麦。
玉ねぎ以外はおじいちゃん家に行く途中の産直で買った。
こういうの、すき。
日本でも海外でも、その土地に住む人たちが日常の中で行くようなところがどうにも好きなのだ。
研磨くんはスープをおかわりしてくれて。
わたしもおかわりした。
ちょうど良い量と迷って
多めに作ったスープは密閉容器に入れて、
お昼はご飯と卵で雑炊っぽくしようかなぁー、とかとか。
「おー、穂波? あ、やっぱ穂波じゃん」
『わー、陽ちゃん!』
こっちの顔馴染みの陽ちゃんとその友達が3人、
サーフボードを持って上がってきた。
『もう上がるのー?』
「腹ごしらえして別のとこ行こかな〜とか」
『そっか、気をつけてね。行ってらっしゃ……あ、陽ちゃん何か持ってきた?』
「航んとこのパン屋でパン買ってきたのとうちからサラダと」
『わたし達も航くんとこのパン食べた〜♡ あのね、スープ余ってるんだけどいる??』
陽ちゃんは車から容器を持ってきて、喜んでスープを持っていってくれて。
お返しにって沖縄のフルーツをいろいろくれた。
豪華すぎる、国産トロピカルフルーツ…!!
あまりのものが予想外にやってきて、驚きつつ、
陽ちゃんと次会うのもしばらく先のことだから。
しっかりまたねの挨拶をして別れた。
お兄ちゃんと仲良いから向こうで会う方が先かもなぁ。
陽ちゃんは研磨くんにも程よい距離感で接してくれて、
多分、研磨くんも苦手じゃなさそうだなって。
「穂波は? もう海良いの? あと寝なくて良いの?」
『海はまた、後で入る♡ 寝るのは… 今は大丈夫そう。 また眠くなったら寝るかも』
「ん、運転中じゃなければいつでも」
一緒にさくさくっと片付けをして、
研磨くんの株の色々は助手席でもできるからって。
9時になる前に出発。
まずはおじいちゃん、おばあちゃんに、またねの挨拶をして、それから…