第11章 ラングラー
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一宮から2時間半とちょっと。
茨城は大洗に到着。
ここの駐車場であってるはずなんだけど……
「穂波ちゃーん!」
『あぁっ 古森くん、倫ちゃ…… 治くんもいるー!』
車を降りてすぐ、呼ばれた方を向くと、
聞いてない聞いてない!
治くんがいるなんて聞いてない。
嬉しい嬉しいサプライズな存在に声が大きくなってしまう。
「ちょっと最後、ん、まで言ってよ。 治の名前が俺の名前を食い気味なの腹立つ」
「…ふ」
「よー、研磨くん! 久々やんな!」
「ん…」
「穂波ちゃんがラングラーで入ってくるん見とったで、
ごっつい車運転してやっぱかっこええなぁ! エロいし、惚れなおしたわ!」
『え、エロいって今必要だった?』
「必要やそんなもん、当たり前やん!」
『そっか、 治くん、5月ぶり♡』
「おー、久しぶりぃ ハグすんで」
ボスっと治くんの胸に飛び込めば、
高校生の時より少しだけ柔らかさの加わった治くんを感じる。
普通にきっといい身体してるんだろうけど、
すこしだけ、ふわっと感も。
「穂波ちゃん、エッチなこと考えとるやろ」
『えっ やっ エッチなことなんて考えてな…っ……』
「な?」
ハグしたまま見上げれば、にやっていたずらに笑う治くんがそこにいる。
治くんは高校卒業してから髪の毛染め直さずに、
研磨くんの真似や〜って、根本から黒い髪の毛を生やしてる。
カットはしてるみたいで前に会った時より、黒の比率が多くなってきた。
うう…… 似合っててかっこいい……
「勝手に脱がさんとってな、そんなんせんでもこれから一緒に海入るんやし」
『にゃっ 脱がせてなんかなっ……』
「なっ…? 笑」
「なんなんその、い、まで言えん馬鹿正直な感じ。 ほんで実際頭ん中で脱がせてんの?」
『倫ちゃんもうやめて…』
「…ふ 」
そう、今日は今からサンビーチキャンプ場に一旦移動して。
それから夕方から倫ちゃんたちとサーフィンするんだ。