第11章 ラングラー
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押し麦の入った野菜スープ、ベーコンエッグ、夏野菜のピクルス、パン、葡萄。
持ってきたもの、途中で買ったものをうまく組み合わせて
美味しそうな朝ごはんが出来上がってる。
押し麦は家で茹でて冷凍してあるやつ持ってきてた。
ピクルスも家から。
パンはせっかくだからって、千葉に来てから買った美味しそうなやつ。
卵とベーコン、それからスープの野菜も途中産直で買ってた。
葡萄は、昨日おじいさんにもらった。
いつも通りの安心感がありつつ、
ここでしかできないような感じが確かにしっかり混ざってて。
穂波と旅するのは楽しいだろうなって、思う。
料理だけじゃなくて、いろいろ。
「うまそ」
『ふふ、どうぞどうぞ』
「ん、いただきます」
どれももはや当たり前に美味しくって。
外で食べると美味しいとか穂波は言ってるけど、
それだけじゃないよな、とか思う。
「…スープうま」
『よかったぁ。 何でも良いけどスープは欲しいよね』
「…ん?」
『外でご飯作る時。あとはなんでも良い、
コンビニのおにぎりでも、パックの白米でもいいけど、スープは欲しい』
「あぁ… 確かに。 あるとないとじゃ全然違う。 ていうか」
『基本、家でも汁物は大体あるよね、わたしが作ると。
じゃあ今の話はなんだったんだという。笑』
「ふ… でも、うん。 外で飲むスープうまい」
『うん!』
2人で暮らし始めて、穂波曰く 簡単なもの もちょこちょこ登場して。
もりもりしたサラダ、と同じくらいの割合で、具沢山のスープ、がある。
具がたくさんじゃない方が簡単じゃないの、って聞いたけど、
味を決めるのに時間がかかったりするのと、出汁が決め手になってくることが多いんだって。
あと火加減も考えなきゃって気持ちになるって。
具沢山にすると、とりあえずぶっ込んで、くつくつしてる間に他のことできて、
それから多めに作って次の日とかに食べても大体美味しいものができるって。
それから出汁がどうとかないくらい、素材の旨みが混ざって美味しくなる気がする、らしい。