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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第11章 ラングラー


ー穂波sideー








海って 聞こえるんだね









って、研磨くんが言った。

わたしもそれ、幼い頃のある時、。ふって気付いたなって思って、胸がきゅんとした。
なんだろう、同じことを違うタイミングで感じたことが妙に胸にきたというか。









『ん、聞こえる。 海が、聞こえる』

「ん…」

『研磨くんと、行きたいことしたいこといっぱいあるような、ないような』

「………」

『でも特に力まなくても、こうしてふと叶ったり。
それから、うーんと……』

「…全部、ここにある」

『ん、全部ここにある。 いつも』

「ん」










研磨くんがいれば、みんながいれば、それからわたしがわたしでいれば。
どこにいても、なにもなくても、ここに全部ある。

…研磨くんがいれば。










「穂波がいれば、って思ってたけど」

『………』

「それはまぁ、そうなんだけど。なんか、ね」

『ん、なんか、ね』










物理的な距離を超えて、大丈夫な気がしてくる。
曖昧なようで妙に確信的なものを感じる。



空とか海とか、ベタだけど。



繋がってて。



見上げたり、目の前に広がったり、聞こえたり。
時には思い出すだけでも。



あぁ、大丈夫だってなるかな、とか。









「まだ始まったばっかだけど、このドライブ?なんていうのこれ、これ」

『ドライブ、かなぁ? ふふ』

「ん、ドライブはすごく意味のあるものな気がする」

『ん、意味なんて最初はひとつもなくって、でも、後付けすればぜーんぶ意味があったり』

「…ふ 笑 ほんとそうだね。 後付けしてしまえばどれも意味があって、かけがえがない。
穂波といると、全部がそんな感じ」

『…ん』











海が聞こえるこの場所で、潮風を感じながら。
ぽつぽつとそんな風に話を。











そう、このドライブの目的地はここだけじゃない。
思いがけず、始まった研磨くんとのいつもとちょっと違う、時間の過ごし方。












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