第10章 梅と
ー穂波sideー
研磨くんは古森くんのお誕生日の乾杯をして落ち着いたタイミングで
シャワーを浴びに行ってた。 スケボーして汗かいたからって。
だからもう、お風呂は入らないって思ってて。
それからどんどん大きくなってくカズくんが
今回、わたしのそばじゃなくて倫ちゃんと古森くんのそばにいる時間も多くて。
なんか、小さかった弟が大きくなって、ちょっと距離ができたみたいな。
嬉しいと、寂しいが入り混じった感情が心に渦巻いてたから。
カズくんにお風呂一緒に入るって言われてすっごく嬉しかったんだ。
…そして今、研磨くんと一緒にお風呂に入ってる。
ぬるめのお湯を張った湯船に向かい合って座って。
いつもはお風呂で向かい合うと恥ずかしくて妙に照れちゃうんだけど。
…多分、さっきのサマーリーグの話で興奮してるんだと思う、わたし。
『…でも、及川さんは一体全体どこにいるんだろう??』
「あぁ、大王さま、翔陽から聞いたことある。あと月バリ見てクロたちもなんか言ってた気がする」
『影山くんが、すっごく尊敬してる人なんだよ。一体全体……』
「影山は、普通にいろんな人に敬意を示しそうだけど。それとはまた違う、尊敬ってこと?」
『そうだよねぇ… 勝気だったりすごいことしてくるけどすごく謙虚なとこも持ち合わせてるよね。
本当に、真っ直ぐなんだよなぁ♡研磨くんにもいーーーっぱい、聞きたいことあるみたいだったねぇ』
「……」
研磨くんは影山くんにまっすぐバレーのこと聞かれるのが苦手で
いつもするするとくぐり抜けるように、逃げてた。
『ふふ。 あ、そう、及川さん。そうなの、なんか及川さんほど怖い人はいないんだって。
Vリーグにいるのに古森くんたちに名前も知られてないって感じの選手ではなさそうなんだよね、
そのバレーの実力に上乗せされる、ルックスとかもあって人気だったらしいから』
2年の時の森然合宿の最終日、
お風呂から出たところで山口くんと話してたらあれよあれよと烏野のみんなが集合して
各々ジュースや牛乳を飲みながら宮城のいろんな選手の話をしてくれた。
牛島さんの話も覚えてるけど、特に印象に残ってたのは及川さんの話だった。