第10章 梅と
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「あ、あとは飯綱さんって分かるかな、井闥山の一個上の先輩なんだけど」
『…セッターの人?』
「よく覚えてるねー! そうそう、飯綱さんのチームも来るからすげー楽しみ」
帰るよってタイミングでどんどん話に花が咲いていく。
聞いてて、おもしろい。
なんだろな本当この、うんざりしない感じ。
元也くんや穂波の人柄とか声色とか話の感じとか。
諸々がちょうどよくって、聞いてて楽しい。
『1、2… これで6チームか。
若手選手の登竜門的なものとはいえ、全部のチームに知ってる人がいるなんてすごーい!
もしかして研磨くんたちはすっごい世代にバレーをしてたのかなぁ?
古森くんや倫ちゃんは進行形で、してるんだねぇ』
「世代かぁ〜 でも確かに俺らが2年の時の3年も1年も、結構バケモノクラスいたかも」
「確かに…桐生とかもいるしな。やばいよな」
『大王さま……及川さんは? 岩ちゃんさんとか』
「及川?…あー、あの、月バリで特集組まれてた、えっと…宮城の?」
『そうそう、及川さん、すこぉしだけ面識があるのとあと、話は結構聞いたことあって』
「そっか、烏野と仲良いんだもんな! ってか、烏野のリベロは?」
『あっ夕くんはね……』
「ふ…」
「何で今笑ったん、研磨くん」
「いや別に…」
『……』
「…元也くんと穂波、いいなって思って。お茶飲んでく?」
「…っあー!ごめん、帰る前に話広げすぎだよな!ごめんごめん」
「あ、全然、おれは構わないんだけど。 ほんと、お茶飲んでってもらっていいくらい」
「いやでも、ここは……」
「いやここは……」
『……』
「「お言葉に甘えて……」」
「…ふ 笑」
『んふっ 笑』
「いやそこは、古森は遠慮するとこでしょ。そんな古森に気を遣って俺が遠慮なく、って言う感じだったんだけど」
「いや今のは角名が、俺にここにきてお茶はさすがにダメやぞ!みたいな突っ込み入れるとこでしょ」
「…まぁ2人とも、結果的にお茶飲みたかったってことでしょ。玄関で飲んでけば」
カズマまで、うんざりすることなくこの場にいる。
なんか、何このメンバーって感じだったけど、
妙なまとまりができておもしろいな、とか。