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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第3章 くじら


ー赤葦sideー







穂波ちゃんの右手が頬に添えられる。




俺に身体を寄せて、見上げてくる穂波ちゃんを
そっと見下ろすと、いろいろなものが胸に、身体に込み上げる。




いや、いろいろではないか。
単純に2つの、だがかさの大きな想い。

愛おしい気持ち、それから触れたいという想い。

至極単純で、だが人を動かすには十分な想い。








その手に吸い寄せられるように身体をかがめる。
腰に添えてない方の手を穂波ちゃんの顎に添えて、くいっとこちらに傾ける。







一瞬、やめろ、と頭の中で声が響くが、
…なんでこんなに今日は、いつにも増して、色っぽい顔をしているんだろうか。

抑制が効きそうにない。









…ふわっと、その唇に触れる。
柔らかく、暖かく、触れているだけで気持ちいい。

離れたくない…もっと、もっと……

これは、俺にとっての初めての、キス。

正直なんの知識もない。

でもただ、触れてるだけで……






穂波ちゃんの唇が柔らかいままに俺の唇に優しく吸い付くようにしてそっと離れる。
それを繋ぎ止めるように、俺は今穂波ちゃんがしてくれたようにキスを返した。
そっと吸い付くように、啄むように。







すると、止まらない…







なんだこれ、腰に回した手が勝手に下の方へ動いていく……








さわさわと穂波ちゃんの柔らかいところを手が這い回り、
その動きと共に、何かが押し寄せる。

勝手に舌が穂波ちゃんの唇をなぞり、
すると穂波ちゃんの口がふわっと開く。

誘い込まれるようにその入り口に舌を……








「…わっ えっと」

『あっ… んっと』

「今のは、その……」

『んと、これはその……』







なんだ?

無意識、で済ませるようなことか?

いや、済ませるべきじゃない。

穂波ちゃんへの対応。
孤爪への報告……

すべきことの詳細が頭の中に連なり並ぶ。






対応?

報告?







いや違うだろ、まずは俺の想い、だ。

















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