第10章 梅と
ー研磨sideー
卵焼き、ゴーヤのおかか和え、枝豆の出汁漬け、冷奴、
パプリカとトマトのマリネ、モロヘイヤのお浸し、納豆、
ぬか漬け(きゅうり、コリンキー)、茄子と茗荷の味噌汁、ごはん。
カズマがいるし、まとめて朝食。
移動させたい重いものがあったからみんなどうしてるかなって思ったら、
倫太郎くんも元也くんも手、空いてそうだったからさっき手伝ってもらった。
この後、また干すんだって。
「でも今日干して、もう一回干すんだよね?」
『うん、もう1日干して、その日はそのまま朝まで放置して、完成だよ。
2人とも梅干しとあと、梅酢も使えそう?ゆかりは絶対持っていってね』
「前送ってくれた梅シロップ、めっちゃ飲んでる!サイダーにして。梅酢はなんになる?」
『…柴漬けとか、あとはドレッシングとか。お肉とかお魚にる時に使っても美味しいよ』
「…んー、ちょっと難易度高いから梅酢はいいや!っていうか柴漬け作れるの?」
『うん、やったことないけど、梅酢いっぱいあるしやってみようと思って。
…あ、じゃあ、柴漬けと一緒に送るね!』
「まじ!? いいの? すっげー楽しみ!」
『もちろんだよ、一緒に作った梅干しで梅酢でゆかりだもん。一緒に楽しも』
この間泊まったホテルの柴漬けがうまくって、
穂波のも食べたいって言ったけど。
こうやって、おれの願いが、
穂波の予定?に当たり前に組み込まれてるのを知ると妙に、嬉しかったりする。
それってすごい、支配欲とか独占欲と繋がってそうだなって思うけど。
でもさ、穂波が穂波じゃなかったら、それって逆にすごいうざいと思うんだよね。
穂波だから、うれしいんだよなって、思う。
おれでいっぱいのくせに、
いつまで経ってもおれでいっぱいにならない。
おれのだけど、おれのじゃない。
精神的に自立してるし、その時が来たらきっと、経済的にも普通に自立するタイプだ。
でも、おれのなんだな、みたいな。
よくわかんないけど。 …柴漬け、楽しみ。