第10章 梅と
ー古森sideー
早朝の小川でのぼんやり時間、控えめに言っても最高すぎる。
2人きりなのも最高だけど……
「おはよー!!」
「…おはよ」
「…ん、」
カズくんと角名が来ても全然、厭わない感じ。
穂波ちゃんって俺にとってそんな感じかも。
くそ、邪魔が入った、みたいな感じがない。
穂波ちゃんといてもそうだし、
逆に俺が研磨くんと2人でいるとこに入っても、
穂波ちゃんからも研磨くんからもそういうの感じない。
いやきっと時と場合によってはあるかもだけど、
今のとこまだ2人は同棲してるし、その辺も足りてなくはないんだろうから、
そうそう、キス現場とかに遭遇しちゃっても、なんか。
研磨くんからも余裕が溢れてる感じがある。
それから4人でちょっとゆっくりして、
お腹空いたねってなってまた家に戻る。
朝食食ったら、梅干して、またここに来るか、とかそんな話になった。
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「いいじゃん、わいわいした台所も。一緒に部屋で寝たんだし」
「…いやうっとうしいからあっちで休んでてよ」
カズくんがかわいいのかなんなのか、角名はいつになく絡みに行ってる感じある。
カズくんは俺が穂波ちゃんの隣に行かないようにってのもあって、
穂波ちゃんの手伝いをしてるわけだけど。
それを俺も手伝うわーって角名が言ってるってわけ。
『んふふ、でも大してやることないし、倫ちゃんにはそうだなぁ……』
「…ねぇ、ちょっと手伝ってくれない」
後ろから研磨くんの声がして、俺と角名はびくってして振り返る。
穂波ちゃんとカズくんはなんでか、驚いてなかった。慣れ?
「…動かしたいものがあるんだけど、いいかな」
「お!もちろん!角名もだよな? ほれいくぞー」
カズくんへの助け舟なのか、偶然なのか。
研磨くんの一声で、俺らは台所を離れることに。