第10章 梅と
ー研磨sideー
大会が終わって。
お腹すいたなって、台所に行く。
置き弁。
穂波の実家にはレンジがなくて、
穂波はあまりまだうまく使いこなせないらしいけど。
こういうこともできるからって、春に家電見た時に、穂波の希望でレンジは買った。
温めたいときは活躍してくれてるし、
今日もレンジ対応の容器に弁当は用意されてるし、
レンジかけたくない感じのはカップに入ってる。
けど、なんか。
冷めた弁当って美味い。
から今日はこのまま食べる。
車麩のカツ、ゴーヤのおかか和え、枝豆の出汁漬け、
厚揚げと茄子の照り焼き、パプリカとトマトのマリネ、梅干し、ごはん。
あと冷たい五穀茶とメロン。
食べる前にトイレ行こっと、ってトイレに向かいながら携帯をチェックすると
穂波から何枚か写真が来てる。
それから、今から回転寿司行くよって。これが1時間前くらい。
回転寿司…… いいな、おれも穂波と寿司屋行きたい。
【大会終わった。ご飯食べるね。いただきます】
いつも通り簡素なメールだけど。
返事を入れておく。
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「『ただいまぁ』」
ご飯食べて洗い物済ませて、居間でゴロゴロしながらゲームしてると古森くんと穂波の声。
「お土産買ってきた〜 アイスアイス!」
手作りアイスの店のアイス、テイクアウトしてきたみたい。
なんか、いきなり実家の近くのアイス屋、穂波と行きたくなってきたし。
カズマはヨーグルトアイスにキウイのソーストッピング。
元也クンはミルクと抹茶のダブルにきな粉と黒蜜トッピング。
倫太郎クンはバニラにチョコスプレー?カラフルなやつと、
オレオみたいな濃ゆいクッキー砕いたやつトッピングしてる。一番子供っぽい。
「なーんかトッピングあるとやりたくなるよな!」
「うん。このカラフルなやつとかダブルでお願いしようかと思った。
大人になったら出来る、究極の子供っぽいこと、いろいろ制覇したくなる」
大人になったら出来る、究極のこどもっぽいこと……