第10章 梅と
ー研磨sideー
14時くらい。
水筒の水もなくなったし、喉乾いたし…
大会前にちょっと寝たいし。
穂波のとこ行こ、って思った。
台所に行く途中、そっとゲーム部屋の扉を開けると3人が桃鉄してて。
元也くんも角名くんもなんか、盛り上がってて。
カズマはまぁ、相変わらずの感じでそこにいた。
カズマを見てると、ふと、おれってこんなふうに見えてるのかなって思う時がある。
…チョット、おもしろい。
気付かれないようにそっと扉を閉めて、台所に水を取りに行ったらやっぱりいた。
おれらの家だから、今までいろんなところで身体を重ねた。
台所でも、居間でも、玄関でも。
おれ的には仕事部屋でだってしていいんだけど、なんかダメなんだって、穂波が。
ダメって、ここじゃ濡れないの?って下着脱がせたらしっかり濡れてて、かわいかったの覚えてる。
でもまぁ、ダメだっていってるのはメリハリみたいなことなんだと思う。
おれはそういうのなくても結構、切り替えはできるけど。
穂波はおれなんかよりずっと、あの部屋を大事にしてる感じある。
でもまぁ今は、来客いるし。
部屋かなって。 おれ、どうせ寝るし。
『…疲れちゃった?』
「ん?」
『部屋に行きたいって、お客さんに疲れちゃったかなって。
なんか、そういう時あるでしょ』
「あぁ… ううん、そういうんじゃない」
『そっか、うん』
部屋で何したいかってわかってないのかな。
「…別に部屋行かなくてもいいけど」
『うん?』
「ここでする?」
『ん?』
「いつも通り普通に」
Tシャツの裾から手を入れて肌の上を滑らせる。
『え、あ、部屋って… ん……』
「ん、そーゆーこと」
こっちを向いた穂波の唇を塞いで、
そのまま肌に触れながらキスを深くしていく。
だめだ、欲しい。
何でこんなに我慢、できないんだろ。
穂波に出会うまではなくてもいいものだったのに。