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【ハイキュー】 続・波長 【孤爪研磨】

第10章 梅と










「安心しなって、カズくん。俺は穂波ちゃんに手出したりしない。
だから、な? もうちょっと俺に優しくして?」








前半部分はちゃんと、心を込めた感じで。
後半は軽さを持たせて明るく。

洗い物を終えた手をしっかり濯いでしっかり拭いてから
カズくんの頭をワシワシしながらそう言った。

古森くんって… 素敵。かっこいい。たまんない







「…わかってるよ。わかってるけど、ほら、何もしないのに、
おれに話しかけてるだけだなのに穂波がキュンキュンしてる」

『…』

「あはは!それは別に、俺が元カレに似てるからじゃないでしょ、ね?」

『うん、古森くんは古森くんで…』

「古森くんのままキュンキュンしちゃってるんでしょ、だから危ないの」

「あちゃー」

「でもまぁいいよ、しょうがないし。でもこれでスケボー上手かったらもう口きかない」

「え!なんで!」

「…もういいから。この話終わり。穂波まだ桃切ってないの?
お皿どれにする?ガラスのやつでいい?」

『え、あ、うん。2人に見惚れちゃってた』







前の彼はNZの人で。
外見は古森くんとは似てないけど、でも内面が確かに色々似てて。
だから外に滲み出る空気とか表情も似てるとこいっぱいある。

ワールドツアーでも活躍してるプロスケーターだから
同じ分野ってこともあってカズくんはちょっと気にかけてるみたい。

古森くんみたいな内面をもった、スケーターって言ったら。
プロもアマチュアも関係なくスケーターたちが真剣にスケボーで遊ぶ姿だとか
大会中もお互いに高めあってくあの感じとか、少しでもみたことのある人なら想像がつくと思う。

そう、前の彼氏はどこにいってもみんなに愛されて
みんなをチアアップしてでも、空気が読めない感じでもただ賑やかな感じでもなくって。

とにかく、素敵な人。

そんな中カズくんは一貫してクールな塩対応くんだから、自分にない感じを余計に警戒してるんだろう。

そしてそう、クールな子でも。
感情を表に見せない子でも。

あんな痛いこと、こけてもこけても立ち上がって夢中になって続けてる時点で
スケボー大好きなのはスケーターにはちゃーんと伝わってて。

それがまた、好きだなぁって思うところ。だったりする。














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