第10章 梅と
ー古森sideー
びっくりしたー……
あんなエロいチューするんだ、研磨くん。
なんか、すっげーどきどきしちゃった。
どきどきしてよくわかんない事言ってた気がするけど、
なんか2人が慌てる素振りも気まずさもなくすごい普通で、
おまけに研磨くんが淡々とすごいこと言ってくるから聖臣のこと思い出して我に帰れた。
『できたよ〜』
大きい和室で角名と研磨くんとなにを話すでもなく過ごしてたら穂波ちゃんが呼びにきてくれて。
ダイニングに行くと、さっと作ってたはずなのに(かかってた時間的に)いろいろ並んでる。
うまそ〜
梅おろしうどん、ササミの天ぷら、卵の天ぷら、蒸しナスの香味だれ漬け、
冷やしトマト、糠漬け(きゅうり、人参、セロリ)、枝豆。
それからおひつにごはんと、隣にタレが置いてある。伏せておいてある茶碗も。
「なにこれ、卵?」
『そうなの、この間近所の料理好きなおじちゃんに教えてもらってね。
初めて作ってみた。 中が半熟だと思うから気をつけてね。
…あ、あと天丼にしたら美味しいのかなって、おむすびするのやめたぁ』
「半熟卵の天ぷらで天丼? うまそ」
よくみるとカズくんのはすでに天丼にしてあって。
俺と角名もそのうまそうな提案にすぐにのった。
よそうよ?って言われたけど、自分でできることなんだから普通に自分でする。
ついでに角名のも。
「…あー、そういうとこ」
「え?なにカズくん、なんか言った?」
「なんでもない」
カズくんがすごい俺にうんざり感出してきた気がするけど、
『研磨くんはどうする?』
「うまそうだけど、多分食べれないから今日はうどんと食べる。また天丼も作ってね」
『うん!』
すぐにこっちのかわいいカップルに持ってかれる。
ほんといい2人だなぁ〜
『あ、食べよ食べよ〜』
「いただきまーす!」
みんなまだ箸をつけてなかったから、一斉にいただきますをして食べ始める。